ペダルボード オルガン 自作

ペダルボード(Organ Pedal Board)

この記事は2010/07/20に私のHP用に作った物をBlog用に加工、修正したものです。

2010/07/20
Home Brew MIDI Organ Pedalboard Project – 自作 MIDI オルガン ペダルボード

キーボードは全くの初心者ながらヤマハのエレクトーンELS-01Cを友人(ドラマーを目指している)に刺激されついつい購入してしまったことに始まった。

実験する充分なスペースもなく適当に切り上げやって本番をつくり始めたので組立中に全壊に近いところまで壊れてしまうというミスもしたが何とか6年間持ちこたえている、が昨年リードスイッチをダブルにしたところが2箇所あったのと、そろそろスプリングの調整が必要になってきた。

なぜペダル鍵盤を作るはめになったのか、元々オルガンが欲しかったが初心者向きのオルガンなんかないし高価過ぎる、そこで何とか手の届くエレクトーンに目をつけオルガンの練習は出来るかスガナミ楽器に再三確認したところELS-01Cでもオルガンの練習はできるとのこと、購入前にもう少しオルガンとエレクトーンの違いを勉強すべきだった。

大きな違いはペダル鍵盤の音域が狭くC-Gまでしかなかったこと、即ち20鍵盤である。ところがオルガンの楽譜を見たりオルガンの写真をネットで調べると30とか32が標準であることが判った。
初心者だなぁー、まずヤマハの純正は計488,250円である、エレクトーンと合算するとオルガンが購入できる値段となってしまう、こんな馬鹿なことは出来ない。

次にUSのサイトで探すと第一にサイズが合わないが一応調べるとAGO規格で$1725CDU(USDも同じ)シッピングチャージは欧州のみしか出ていないので参考までに一番高く設定されているところの  Iceland Reykjavik  で CDN$610.00 である、おそらく日本はこの倍は行くかも知れないし、これもだめ、さらに探すと Hoffrichter Organs UK SP-30 Straight/flat Pedal が見つかったこれは少し加工が必要だが入りそう、でお値段と送料等を聞いたらJapan-Organ Co.を紹介してくれた早速問合せると294,000円であった、うーん、ヤマハと比較すれば約20万は安いがやはりこれでも高いなぁー。

そこで今度は視点を変えて自作しているやつはいないか、となった、日本では見つからないそれではDIYの本場?USで探してみると数は少ないがすごい人がいた、パイプオルガンを自作してしまった人、これにはさすがに驚いたが、やはりプロトタイプを作っている、失敗もある、でも沢山の情報が得られた、ペダルボードの改善もあった。
でも皆さんツールと環境(仕事場)共に恵まれている、私は工作好きだがこれだけのツールを揃えるなら買った方が安くなる、では手持ちの道具で自作できるか。

全体の構造はいろいろあり規格があることが判ったそれは BDO (Bund Deutscher Orgelbaumeister) ドイツ・オルガン建造職人連合とかです、平行凹面状で30と32鍵盤の物、AGO(American Guild of Organists) アメリカン・ギルド・オブ・オルガニスト協会です、放射状凹面で32鍵盤の物、RCO(Royal College of Organists) イギリス王立オルガニスト協会でこれはAGOに準じているので基本は2種類。

その中でこのエレクトーンELS-01Cに合いそうなのはどれか、平行凹面状で30鍵盤が良さそうだが10Cm位はみ出すので絶対入らない、放射状であれば手前は入るが、後側がはみ出るけどフレームは避けられる、且つ凹面状にすれば若干寸法が小さくなる、うーんこれかなぁ、っと言うわけでAGOもどきに決めた。

基本図面は手書きを再計算してCADで再度確認、でもなかなか手が出ない、まずは材料それも本物の鍵盤はポプラがベースで白鍵に相当するのにカエデ、シャープに当たる所がクルミだそうだ。

しかしこれは簡単に出来そうにない、では安くしかし出来そうな木材はないか近くのホームセンターにあさりに行くと所謂SPF(エスピーエフ)材と言う、全てマツ科に入るトウヒ属のスプルース(Spruce)、マツ属のパイン(Pine)、モミ属のファー(Fir)の3種類の内のどれだか判らないが似たり寄ったりの性質だそうだ、手ごろと言うか大変安い、しかし耐水性が低いらしいが室内なので無関係と決め付ける、さらに直射日光や冷暖房など乾燥しやすい場所だと変形しやすいらしい、直射日光は当たらない、暖房はするが冷房は無い、問題は暖房だけ、曲がってどうしようもなくなったら、交換すれば良いとした。

部材の組立ての簡単な説明です。

ここからやっと鍵盤を取付けるところです、①はペダルの基礎となりますので角材を加工して、鍵盤のスプリング(りん青銅)は2対のアングルで挟み込んで固定しました、②③は補強材、なお⑤は鍵盤の上部ストッパーですが、足で踏み込む付近で約1Kgにセットしたが、約20鍵盤取付けつけたところでバキっとばかり跳ね上がってしまい大破してしまった、鍵盤全てが踏込んでいない時の上向きの力を全く考えていなかった、大ちょんぼ、一気に力が抜る対策は完成写真。

①のペダルの基礎となる角材と鍵盤のスプリング(りん青銅)は2対のアングルで挟み込んだ様子。

 ①の基礎側から鍵盤の先端方向、手前がスプリング(りん青銅)、⑤が大破したストッパーです。 波うっている所はクッションなので本当はフェルトを使うところですが、ホームセンターへ行った時絨毯のクズが捨ててあったので聞いたところどうぞお持ちに下さいとのことで無料でした、でも機能適には素人思考で全く問題無い。

ペダルストッパーの外から見た写真で⑧は鍵盤ですが先端にリードスイッチの働かせるマグネットを埋め込んである様子。

 ⑤が大破したため⑥の補強材をかましました、が現在はさらに⑤の上部アングルの補強が入っています。
MIDI用に塩ビの板にリードスイッチを付けケーブルを配線したところ。

上の拡大、中央のソケット(50PIN)はジャンクのMIDIキーボードへの中継ソケット。

ほぼ完成したところで補強材⑥を鍵盤が無い所にかました、が現在はさらに鉄アングルを入れてある。

ジャンクのMIDIキーボードに外部ソケットを取付けたところ。

実装したところ、⑥の補強材に更にアングルで補強しました、リードスイッチのカバーは5個の強力なHDDを分解しヴォイスコイルのマグネットを外して流用している。
右側のフレームの所のカットは手鍵盤のDとペダルのDとのアライメントを出すため止むを得ずカットしたがその補強は内側にある。

オルガンの系統図

HauptwerkのセットはYAMAHA ELS-01Cは上段鍵盤をSwellとし下段をGreatにしましたMIDI Chはそのままです。
ペダル鍵盤はKAWAI DATACATに50芯のフラットケーブルソケットを取付けキーマトリックスからの接点を取出しました。
Hauptwerkのセットは12Notes(オクターヴ)下げてあります。
スピーカーはELS-01Cのものを使っていますのでELS-01CのVoiceは全て0 (Off) にセット。
Hauptwerkの細かいセットは実際のパイプオルガンをもっと勉強しないとなかなか難しい。